3・4年生(中学年)からでも全然遅くない!?英語多読学習の魅力

「うちの子は3・4年生なので、もう遅いでしょうか?」というご質問をいただきますが、今回はこの質問についての学長の考察を書きたいとおもいます。

学長堀場
学長堀場

マジックキーキッズアカデミーのカリキュラムでは、通常は小学校卒業までに英検3級~準2級、早い子は受験が本格的に始まる5年生になる前、つまり4年生の終わりまでに準2級や3級までを目標に取れるようにカリキュラムを設計しています。そのために、推奨学習開始時期は女の子で年中さんから、男の子は年長さんからと、いわゆる早期学習と言われる時期からの開始を基本的にはオススメしています。

大切なお子様の英語力向上という責務を一部担うわけですから、自身の子供もORT育ちの小4で準2級、6年生で2級にそれぞれ合格したスタッフが初回の面談の対応をさせていただいております。

時々「うちの子は3・4年生なので、もう遅いでしょうか?」というご質問をいただきますが、今回はこの質問についての学長の考察を書きたいとおもいます。

楽しく本を読めるという大前提で、できるだけ母国語で覚えたことに追いつける形で学習していくのに、本を楽しめるという観点からも4〜5歳から英語学習を始めていくのが1つの適切なタイミングと考えています。しかし、英検1級・CEFR C1程度の英語量の習得を目標に学習するのであれば、英語を始めるタイミングに遅いということはないのもまた事実です。

8月の体験時まったく読めなかった子が、半年でレベル3までスラスラ読めるようになり、今回5級に合格。「多読ってもっと小さい時から始めるイメージで、小3スタートでは多読学習はあわないんじゃないかと思っていたけれど、半年の成長に驚いてます!」とのコメントもいただきました。

英語学習を始めるのにおそすぎるということは決してない!?

今の時代の子どもたちはとても忙しいので、5年生になると本格的に受験勉強も始まりますし、可能なら3級〜準2級を小学校4年生の終わりまでには取りたいところではあります。しかし、現在では、英検1級、TOEIC980点の学長も実はまじめに英語を始めたのは大学1年生の時です。しかもその動機は当時TOEIC600点を取ると大学の英語の単位が免除されるという、かなり不純な動機からでした。私自身20歳から本格的に学習をはじめて、1級を取れたのは25歳のときです。これでもアメリカ留学をバッチリこなし、世界最先端とも言われるミネルバ大学の大学院も卒業できる英語力が身につくのですから、英語を学び始めるのに遅いということはないのかもしれません。

そして、64歳で定年退職後、学び直しの一貫で英語学習を再開して70歳で英検1級を取られた方もいます。少し極端な例を持ってきましたが、英検1級くらいなら学び出すのに遅すぎるということはないという参考にしていただければと思います。もちろん今の子たちへのオススメは、17歳時点で英検準1級〜1級を持っているとその後の学びの機会の幅が格段に変わりますので、それくらいを目安に学習計画を立てていくことです。しかし無理に学習して英語がつまらなくなるよりは、興味を持てた時に一気に習得しまえばいいという考え方も一理あると思うのです。

多読学習はもともと中高生にも活用されている学習法です

ここ数年で小学校でも英語が必須科目になるなどの変化に伴って英語学習の低年齢化が加速していますが、もともとは英語は中学生から学びはじめえる科目でした。なので、SSS多読など長いこと多読をイチオシしてこられているサイトでも、対象はどちらかという中学生くらいからだったりします。具体的な事例としては、愛知県豊田市にある豊田工業高等専門学校では英語多読の書籍を図書館にも揃えられているそうで、多読学習を高専生の学習方法としてオススメされています。ちなみにこちらのサイトにもある通り、ORTをオススメされています。

英語を年中・年長といった早期から始めるメリットはどこに!?

このように整理してみると、だったら無理して早く始めなくても、、、と思われる方もいるかもしれません。そういう意味では、子どもが興味を持てずに嫌がるくらいならタイミングを待った方が良いとは思います。一方で、海外大学院では英語力はCEFR C1やIELTS7.0(英検1級相当以上)を求められ、このレベルに日本人が達するには3000時間は学習しないといけないと言われています。つまり、時間がかかるからこそ、期間を長くとってコツコツとやるほうが無理なくできます。習慣にしてしまえば、毎日1時間で一年間(50週として)に月〜金まで学習するとすると、一年で250時間、12年間で3000時間です。このイメージで、小中高の12年間で習得できるイメージになります。もちろんこの内一部はながら学習でカバーできることもたくさんありますので、3000時間机の前にすわっているわけではないですが、ある程度の年齢までに英語に触れる時間をこれだけ確保すると考えると、コツコツやるメリットが決して無いわけではないと思います。

もう1つは、小さいこどもほど”簡単な”本を楽しめるというのがあります。豊田高専さんで多読学習が活用されているわけですからもちろん「英語」を学ぶという意味では、KipperたちのOxford Reading TreeやOxford Reading Club(アプリ)などである程度の年齢からでも学習はできます。ただ、さすがに高校生になれば、ORTのLv1の本を心の底から楽しんで読むというのは、年齢に対してストーリーが単調すぎて楽しむということができなくなると思われます。つまり、英語を身につけるためにいくばくかは、児童書をがんばって読むという期間が発生します。特に学習の入り・初期でこの負荷がかかるのは、楽しく学ぶという部分が、オトナに近づきつつあるので我慢できるかもですが、スポイルされてしまうという課題があります。

それ以外にも、長くコツコツ英語が染み込むように学習することでネイティブに近い感覚が得られますし、小さい頃ほど耳が柔らかくて多様な音素をキャッチできるので、発音が上手な子になる可能性が高くなります。また、無意味なものでも興味を持てばどんどん覚えられる丸暗記の脳の回路がまだばっちり開いているので、言語習得に対するハードルが低いなども理由に上がられます。

ではなぜ、英語を3・4年生から始めても遅くないのか!?

最近マジックキーでは3年生や4年生くらいで他の英語教室に通っていたけども、簡単な挨拶以上からなかなか会話力も上がらず、英検も思うように合格できないという課題を感じられた方のご入会も増えてきています。3・4年生から始めて特に学習進捗が早い子は、やはり本が好きです。本を読む習慣がある子ですと、小さな頃から始める場合は1日1冊読むペースでも、3・4年生ですと集中力もあり、Lv1〜3くらいの本を一日に何冊も楽しく読める子がいます。こういった子は一気にキャッチアップして、英語力を高めていけるケースがよくあります。つまり、簡単な本を繰り返し読むことに抵抗なければ、3・4年生からはじめても順調に英語力を上げていくことができるというケースをよく見かけます。

もう1つ大切なのが、小学校の国語では音読の宿題が出ますよね。中学生や高校生が先生の前で音読しましょう!と言われると、恥ずかしくて苦行になってしまう可能性があります。これも3・4年生なら学校で普通に音読の宿題が出ますので、この点も中学生や高校生に比べると大きなメリットです。

まとめますと、3・4年生のこどもたちは、4〜5歳児に比べて理解力があるため呑み込みが早く、比較的高い集中力で本を読み、上達スピードが速いです。そのため簡単な本を読むフェーズをテンポよくこなしていくことで、こんなにたくさん英語の本を読めた!という達成感を感じることができのもメリットだと考察しています。(入門レベルのLv1~3の本を100冊読むというのは、3・4年生で本好きの子にとっては決して難しいことでありません。)