【学長質問コーナー】DoかDoesかIsか選べません

先日ある生徒の保護者の方から、「DoかDoesかIsか選べません」と質問がきましたのでMagicKeyの学長に答えてもらいました。

中級講座に進級し「ひとつひととわかりやすく(英検対策テキスト)」を使っての勉強が始まりました。
子どもは英文法の内容をきちんと理解できていないのか、例えば、疑問文の始まりはDoかDoesかIsかを選ぶ問題が解けません。大丈夫でしょうか?

学長堀場
学長堀場

今回の質問は、日本で教育を受けていると中学生以降に(言語を丸覚えして、ロジックなどなしで丸覚えするのが難しい年齢になってから)第二外国語を学習している観点から不安になるのは大変よく分かります。

たくさん触れることが大切

今回の質問は、日本で教育を受けていると中学生以降に(言語を丸覚えして、ロジックなどなしで丸覚えするのが難しい年齢になってから)第二外国語を学習している観点から不安になるのは大変よく分かります。

マジックキーのカリキュラムは小1でゼロから始めて、小6で準2級相当の4技能の英語力の修得を目指しています。これはスピーチの準備ができるならばグレタさんが国連でされたような2分程度のスピーチをできる力があり、wonderのような本もその気になれば挑戦できるレベルです。前身となっているバリューキッズでの生徒さんは、このレベルを修得している子も出てきています。

最近、小6や中1で、海外経験が全くないのに英検1級に合格する子が、毎回の英検試験ごとに1人くらい姉妹校のバリューイングリッシュから出ています。この子たちに話を聞くと共通するのが、英語で本やDVDをたくさん読んだり見たりしていることです。出来るだけ楽しく英語に触れることで英語体験(学習)時間を増やしていることが共通点なのです。これは「英語は学習時間さえ確保すれば誰でも出来るようになる」との私の考えとも一致します。

そのような観点で見ると、be動詞と一般動詞の使い分けは正直、瑣末な問題ではないかと思うのです。つまりdo he~と言っても通じるのでたくさん触れていればそのうち直ってくるのではないかと考えています。小さな子が「捨ててきて」とうまく言えず、「シテテキテ」という発音の問題も自然と直って行きますよね。英検は概ね6割以上の正答率で合格できますので、このような学問的な文法がわからなくても5級に受かっている子はたくさんいます。多読ベースの学習では聴解力がしっかりしてるので、ここで8割稼げるからです。

子供が興味もないのに説明しすぎるのはリスク

中学校の英語の勉強は楽しかったでしょうか?文法を完璧に理解しなくてはならないなんて、子どもにとっては苦行である可能性が高いし、あまりこだわると楽しく話せなくなったり、読めなくなったりしないでしょうか?なぜ、これほど日本人は英語が話せないんでしょうか?

文法の詳細は中学校に行ってから学校で習い、「え?そうなの?」と気付く形でも問題ないと思います。英検1級に合格する帰国子女の子の中には、「be動詞?何?!」と言う子もいます。だとすると、子どもが興味もないのに説明しすぎたり、問題を解かせようとしたりするのは、リスクもあり気をつけないといけません。英語が嫌いになったら一番大切な`量`をこなせなくなってしまいます。

小学校低学年までは感覚的に英語が身につくチャンスの時期です。それは、例えば、本をたくさん読むことで身につきます。去年の夏に講演していただいた拓土君のお母さまが、拓土君は英検の単語を選ぶ問題や並べ替えの問題では「これじゃなきゃ変だもん。他はしっくりこない。」という感覚で解答していたと教えてくださりました。やはりそれだけの英語に触れてきたということでしょうね。

It’s hot. と言いたいのに、I’m hotと間違えるのは、教科書的な勉強では感覚が身に付かない弊害だと思います。(この間違いは、シチュエーションではかなり誤解を与える間違いです。)

初回面談で1級合格までに2500時間かかるという話をしていますが、今の時期だからできることを大切にしたいので、まずは本を楽しんで、英語に触れる時間を意識しましょう。英語は量をこなした人が勝ちます。

MKでは市販教材の「ひとつひとつわかりやすく」を採用して英検対策を取り入れていますが、これはあくまでもサブ教材です。テスト対策学習は効率を上げる部分もあるので、取り入れています。授業のペースに合わせて1回1単元やっていけば、全部理解していなくてもそれでいいです。ただし5級であれば、主語の後に動詞が来るなどの語順については、学習を通じて意識できるといいかもしれません。これは文章を頭から理解することができるようになっていれば、多読でも気づくからです。

なぜマジックキーでは英検対策を取り入れているか

最後になりましたが、マジックキー・キッズアカデミーではなぜ英検対策を入れているのか?についてもう一度お話しさせていただきます。それは、ミネルバ大学の学習の科学の授業の中でも触れられますが、理解度の確認(プラクティステスト)は学習効率を高めることとが科学的にも証明されていること、次の本が難しくなりすぎないよう生徒の理解度を確認しておきたいからです。子どもはコレクションが好きな子も多いので、合格するとゲームを攻略した嬉しさなどが体験できる部分もあります。先日お話しした中1で英検1級に合格した子のお母さまも、英検の受験(問題)を通して子どもの英語力が伸びたとおっしゃっていました。試験に合格するという目標を決めることで、現在の立ち位置が明確になり、次のステップに繋がっていきます。受講生の皆さんには、多読で読書を楽しむことで英語に触れることを大切にしていただきつつ、完璧にはこだわり過ぎず、進捗確認として英検もうまく活用いただければと考えています。